戦略コンサルが好む経歴・実績とは?〜面接で上手く強みをアピールするには〜

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マッキンゼー、ボスコンをはじめとする戦略コンサルティングファームへの志望動機にて、コンサルに必要な本質的な強みやアピールになる弱みを一貫してアピールできている好例を紹介します。

戦略コンサルが好む経歴・実績とは?〜面接で上手く強みをアピールするには〜

大学/大学院( 東京大学 )  
学部( 法学部 ) 
氏名( SK )
第一志望はどの会社ですか?( McKinsey&Conpany.Japan.Inc )

なぜこの会社を志望していますか?

候補者回答

学生団体での経験から、社会をかえていくことに働きかけその結果自分を認めてもらえるような仕事をしたいと考えました。

官庁で半年バイトしていた経験から、現実に社会を動かしているのは政治ではなくビジネスであることそして

①組織や慣習に縛られずに中立的な立場で自分自身の頭で考え抜くこと
②目に見える成果をだすことで自分を評価してもらいたい
③自分自身のキャリアを自分で選択できる環境で仕事を選択しています。

コンサルでのインターンシップをしていた経験から中立な立場で変化をもたらし、その結果目に見える成果を出すコンサルタントの仕事をしたいと考えるようになりました。

その中でも○○さんにお話を聞いたとき、本当に顧客の利益を組織などに縛られず追求していることを実感している点、また自分が現在関心のある公的部門にも圧倒的な案件をもっているという理由で御社を志望しています。

外資セミナーからの解説

インターン経験強し、である。官庁とコンサルを実際に経験したうえで、コンサルを選んでいる、という点で志望の強さにファクトの裏付けがある。ただ具体的に官庁での経験のどこが上記1~3という基準に抵触したのか、言えるようになっておくこと。

その会社に活かせる、あなたの強みは何ですか?具体的にお答え下さい(400)

候補者回答

「実現力」自分自身の問題意識に対し大学の副理事を説得させ、企画を立ち上げ大学で初の試みを何百人規模のイヴェントを成功させたことによる実現力が私の強みです。

その実現力を担保する力として私は大学・OBそしてメンバーいずれもいままでまったく見識のなかった人を巻き込む力、そしてなにがあっても企画を実現させるための粘り強さを持っていると考えます。

この力は企業の経営者を巻き込んで変革を促すコンサルタントの仕事において、他人を巻き込みそして粘り強く考え抜き行動することで成果を出すことができると考えます。

外資セミナーからの解説

Very goodである。「人を巻き込んでプロジェクトを動かす」というのはコンサルで好まれる本質的な強みの一つである。当然どんな企画なのか、なぜそれをやったのか、そのプロセスでの困難から学んだ教訓は何なのかという「当然聞きたくなる質問」に対し、いい話を用意しておくこと。

あなたの弱みは何ですか?(200)

候補者回答

「がんばりすぎてしまうこと」私の弱みは自分でやると決めたことに対しては完璧を求めすぎ、周りを心配させてしまうことです。

学生団体の活動でも当日前日前は他のチームの相談や多くの仕事を自分で引き受けてしまいメンバーに心配させてしまうことがあります。ただこの自分が決めたことは最後までやりぬくという信条は自分の強みにもつながっているとも考えています。

外資セミナーからの解説

「がんばりすぎてしまうこと」というのは大変ポピュラーな「弱み」で、見ての通り、白々しさを漂わせている。ただ、オーソドックスに「最後までやりぬく信条」につなげ、弱みの部分でも「強み」をアピールしているのは正しいアプローチである。

いままでの人生で、最も大きな達成事項は何ですか?

候補者回答

「思いの実現」:自分自身の経験から東大に学部・年代の壁のあること・大学に価値観がぶつかる場や社会に触れる場がないことに問題意識を感じており、もっと社会に触れるような「場」や学部の縦割りを壊すような仕組みを作りたいと考えていました。

その思いを実現したいと雑誌に載っていた東大の(本人の希望により匿名。かなりの高官)
に雑誌一冊を片手に持って会いに行き、自分の思いを熱く語ることで、(本人の希望により匿名団体)を立ち上げました。

途中企画の内容などで大学と対立したものの毎日のように企画書を作り説得していく中で自分たちの思いを実現させていき、●●●●あわせて400人規模の○●●を成功させることができたことです。

外資セミナーからの解説

トップマネジメントに直接働きかけて変革を起こすアプローチはコンサルのそれと等しい。
また東大の官僚的な組織間の壁に問題意識を感じ、風穴を開けようとしているのも「大企業の縦割り組織改革」に相通ずるものがあり、コンサルへの志望動機を自然に強めている。

いままでの人生で、最も難しかった決断は何ですか?

候補者回答

私の人生で難しかった決断は●●団体と大学が対立したときにそのまま関係を存続させるか、関係を切って自分たちで企画を運営していくかでもめたときのことです。

自分は代表としてその決断をしなくてはならなかったのですが、自分自身の問題意識に立ち戻り、あえて大学と組むという決断をしました。

その後自分自身で大学側に対し何度も何度も企画書を作り納得するまで説得することでお互いにとってよい企画を作り上げることに尽力しました。

外資セミナーからの解説

彼は自身の強みとなる「東大組織の壁改革プロジェクト」でいかんなくレバレッジをかけている。コンサルとしては当然、東大の組織の壁の問題点を君がMECEっぽく構造的に問題点を指摘できることを期待するし、貴方の改革へのアプローチの論理性も問うてくるだろう。(私なら問う。)

ケース面接の代わりのような位置づけでこの準備をしておくといい。

君の方が、そこらへんのコンサルよりこの分野(官僚的な大学の組織改革)については知見があるはずなので、この分野に相手を引き込んで面接を主導すれば当然有利となる。

10年後は何をしていますか?

候補者回答

10年後自分はプロフェッショナルになっていたいと考えます。僕の言うプロフェッショナルとは専門性をもつこと、そして自分自身が他人を巻き込んで価値を追求したいと考えています。

外資セミナーからの解説

彼は再び「他人を巻き込んで」というキーワードを繰り返すことで、以前述べた自身の強みを再度強調できている。先立って具体的で感心な事例を挙げているので、ここで述べられた一見平凡で一般的なキーワードもそれなりの中身と説得力を感じさせる。

他にどのような会社/業界を志望していますか?

候補者回答

商社、公官庁

外資セミナーからの解説

うーん、確か官公庁は冒頭に3つの基準を満たさないから×と自分で言っていた気がするが、、、ま、面接本番では整合性に気を付けてほしい。

あなたを弊社が、雇わなければならない理由は何ですか?

候補者回答

私は御社で働くことで成果を最大限することができるからです。(自己PR)から私は誰よりも成果を出すことができると自負し、またその成果をもっとも真摯に追求できると考え御社を志望しています。私をやとっていただくことでクライアントのために他の誰よりも成果を出るまで努力し続けます。

私はクライアントの価値を最大化することは日本社会をよくすることにつながると考えており、クライアントの喜びのためにも、社会的貢献からも御社は私を雇うべきだと考えます。

外資セミナーからの解説

なぜ最も真摯に追求できるのか不明だが、気持ちは伝わってくる。
クライアントの価値を最大化することが日本社会をよくすることにつながり、、というくだりも、彼にとってより大きな人生の目的に合った職業選択なのだ、という説得力を持たせている。

最後に何か、質問はありますか?(会社にどのような質問をしていますか?)

候補者回答

私は個人的にパブリックセクターのコンサルティングに興味があるのでその分野について質問をします。
「価値」という言葉をよくファームで耳にするのですか、多義的な意味だと僕は解釈しているので個人がどのような指標で価値を定義しているのかを質問します。

外資セミナーからの解説

「価値の定義」について聞いているのは、コンサルは本質的な言葉の定義を好むので、貴方がその「多義的な意味」の中身でいい話ができるのなら大いに結構な質問だ。聞かれる方も頭を使わされる上、いい話をする機会に恵まれるので気持ちよく話すであろう。
(ま、相手の資質にもよりけりだし、貴方が適切な文脈と空気の中で聞けているかどうかにもよるのだが。)
パブリックセクターのコンサルプロジェクトについて聞く人も多いが、彼の場合、なぜ彼がそれを聞いているのか、なぜ彼にとってそれが重要な質問なのかが上の文脈で明らかなので、悪い質問ではない。

外資セミナーからの講評

パブリックセクターのコンサルティングにキャリアを見出している、という人が多い中で、彼はその実績、経歴で自身を際立たせている。

弱みなどはとってつけたようで、これを読んだときはもはや×だったが(いわゆる面接対策系のとってつけた感を強く感じたため)、その後に彼の強みが逆襲してきた。

官庁での経験に加え、実感した公的組織の縦割り弊害を直そうと、彼は自身の大学の高官に掛け合い大規模な○●を実現させている。しかもそのトピックを下手に上げるだけではなく、彼は「自分自身が他人を巻き込んで価値を追求」というコンサルに本質的に大切な強みを打ち出すことに成功している。 質問内容の「価値の定義」も、哲学的で面白い。(ま、個別面接官の受け止め方は当然異なるだろうが。。)

さて、パブリックセクターのコンサルティングを志望してくる諸君のライバルは多いわけだが、他にもやたらと「環境系」「通信系」「技術系」と強く自身がやりたい部分を限定しすぎるのはもろ刃の剣であり、バランスを保ってほしい。 

ファームに入ったら、まずもっていろんなケースに入れられるのであり、それらにも粉骨砕身頑張ってほしいわけだ。よって「長期的な強みを発揮し、つきつめたい分野は今のところパブリックセクターですが、ただそこへコンサルするためにも多彩な民間企業の課題を多面的に解決することで、“巨大組織の問題点把握/解決”という本質的教訓を身につけ、クライアントに付加価値を出していきたい。」位のトーンをお勧めしたい。

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