プライベートエクイティ投資失敗3大パターン:バリュエーションが高すぎる局面

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プライベートエクイティ投資案件で、大損するときの3大パターンについて解説します。(写真はプライベートエクイティ転職対策徹底テキストより抜粋)

プライベートエクイティ投資で大損する秘訣は以下の3つです。

①バリュエーションが高すぎる

これは、ディールがあまりないのにいろんなファンドがファンドレイズに成功して、市場にキャピタルが溢れているときに起ります。たとえばあっという間に10兆円も集めてしまったヴィジョンファンドなどは好例です。

1000億円規模でもそれを全部投資するのは案件発掘が大変なのに、10兆円も簡単に投資してしまうのだから、とんでもないバリュエーションのウィーワークなどに兆円単位で入れ込んでしまうのです。資金の潤沢さとバリュエーションの高騰は常にセットなのです。

とくに今のように銀行がLBOファイナンスを、150ベーシスポイントなどの、LBOローンのリスクをまったく無視した低金利でEBITDAの8倍まで出したりする局面ですと、買い手のファンドがオークションでバリュエーションを吊り上げるので、往々にして後々後悔する価格で買うことになります。

②経営者選定失敗

インテグラルの佐山氏もよく仰ってますが、投資案件の成否は経営者でほぼ決まります。そして経営者を変えて3か月たって空気が改善する兆しが見えなければ、経営者選定に間違っているものなのですが、動きが遅いファンドは総じて、経営者を中々切れません。

また、過去の局面では上手く経営できた社長も、会社の業績が悪化する局面では全く機能しない人もいます。(とくにこれまで会社が成長局面だったときの社長が、リストラ局面になると銀行対応など上手くできず泥沼にはまってしまう時があります。)

③損切に失敗して追い打ち

あと大損するときの最悪のパターンが、投資先が倒産しかけたときに、既にたっぷり投資して損したのに、損切が悔しくてさらに追加出資に走り、それも吹き飛んでしまう時です。

人間の心理とは悲しいもので、損切が大切とか日頃いっておきながら、いざ自分の投資案件が吹き飛びそうになると、投資家に”倒産してエクイティが吹っ飛びました”と行くのが怖くて先送りすべく、追加出資してさらにドツボにはまってしまうものなのです。

おそらくヴィジョンファンドのウィーワークへの追加ファイナンスも、この運命を辿ることになるでしょう。

ともあれ、プライベートエクイティ業界に転職された際は、高すぎるバリュエーション、経営者選定(および更迭のタイミング)、そして損切回避の追加出資の”3大大損パターン”にくれぐれも気を付けましょう。