東大医学部出身コンサル転職志望者急増!~東大医学部から院進学か戦略コンサルか?

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東大医学部卒業後、大学院に進み専門性を身につけた上で、戦略コンサルファームに入るか、東大医学部終了後すぐコンサルに入るべきか?Strong Careerに寄せられた東京大学 医学部の方からのご質問と講師からの回答をご紹介します。端的に言えば、周りが進学しようと気にしない事、大学や大学院の専門性に企業は期待していない事を知りましょう。コンサルの適性として最も重要なのは、既にある専門性より、新たに早く学び続ける能力と学習習慣、そして人を巻き込みやる気にさせるリーダーシップなのです。

東大医学部出身コンサル転職志望者急増!~東大医学部から院進学か戦略コンサルか?

東京大学 医学部 Kさんより質問

私は現在学部3年生で大学院に進みある程度汎用性のある専門性を身につけた上で戦略コンサルファームに入るか学部卒で入るか悩んでいます

現在大学において専門性の高い知識を学ぶ段階ではないため、専門と言える分野がないという点で学びが足りないのではと考えています。

戦略コンサルに進むのであれば早いほうが良いという方もいらっしゃいますが、実際は少数派である理系の学部新卒で入社された方は、どのようなご感想をお持ちですか?

講師からの返答~「東大理系だから院に行くべき、という時代遅れの誤解に惑わされてはいけない」

東大医学部からコンサル、金融、バイオベンチャー、ヘルスケア分野の企業など、ビジネスに転出する人は毎年のように増えている。

以下に、別に院に等行かなくていい理由3点を解説する。しかしながら、たかだか数年の差で焦ってているのであれば、院に行ったほうがよいという理由も書き加えておこう。

まず第一に、医学に限らずご自身が学部進学で選んだ専攻が「自分がやりたいことと違うな」と見切っている場合は、周りが行くからというおかしな理由で院に進学しないほうがいい。実際、当セミナーの運営メンバーの一人は東大医学部だが、医師国家試験をとらずにそのまま金融に進んだひとである。

また私の周りにも、東大医学部からマッキンゼーに進んだ人、医師になった後でマッキンゼーを経てビジネススクールに良き、PEファンドを経由してヘルスケア業界で起業した人など、「東大医学部からのビジネス転身組」が非常に多くなっている。

中には医師資格を取った人もいれば、取らないどころか、驚いたことに学部すら終了せずに「なにをそう生き急ぐのか」知らないが、投資銀行に入ってしまった人もいる。

その後のビジネスでの成否に、別に院にいったか行かないかは、特に関係がないように思われる。

第二点目として、当セミナーは東大医学部の人も数多く参加してくれているが、根が真面目だからか、心配しても仕方ないことを心配する人も多いのだが、大学や大学院で学ぶ専門性に、雇う側はほぼ期待していない

特に日本の大学だと、”セレクション”効果が最大の役割となっており、東大医学部は当然、ビジネスに関係なくともコンサルだろうが金融だろうが、有利となる。(中には、学歴なんて関係ない、を信条にする人もいるにはいるのだが)

第三に、医療での専門性が、別にコンサルタントになったときに大きく有利に働くかと思えば、それも疑問であることを知っておこう。

ただし、戦略コンサルに入るのが21歳だろうと25歳だろうと、長いキャリアを考えれば大した差にならないことも覚えておこう。(30手前くらいまでは、MBA卒を含め、コンサル未経験者でもバックグラウンド次第でとくに不利なく活躍できるのである)

なお、理系の人はもはや少数ではないくらいたくさんいるが、学部卒や院卒でその後のコンサルキャリアでのパフォーマンスに差はないと伝えておこう。

東大医学部卒業後のキャリアの先は長いのだから、”たかだか数年でも早く入る”と焦る必要はない

しかしながら、もし貴方が高々二年間を“時間的コストとして”焦っているのならば、長い人生を考えた時、将来考えが変わるリスクも充分考慮すべしと言っておこう。

なおあなたの先輩である東大医学部からビジネスに進んだ、急増している数多くの先輩の事例を見ると、東大医学部から医師になって数年勤務した後に、医療システム全体や組織を変えることの方が多くの人を助けられるし遣り甲斐を感じるということで、30半ばからマッキンゼーに転じた人もいる。

またその後ビジネススクールに進んでPEに入って、医療分野で医師時代の人脈を活かして起業という人もいる。さらには起業後に、古巣のPEファームと組んで、(雇われ人ではなくパートナーという形で)日本の医療業界、特に地方病院のロールアップ投資を主導しているツワモノもいるが、これも医師としての数年の経験があってこその問題意識だろう。

更には、東大医学部からハーバードビジネススクールや1年でとれる医療公共政策のマスターをとって医療ビジネスに転じる人もいるし、非効率な医療システムを変えるべくオンライン診療のアントレプレナーとして活躍しながら(コロナショック後は更に重要性が強まった)、政府の審議会で政策立案に参与しつつ、PEファンド傘下のヘルスケア企業の経営者を担っている人もいる(ここまで書くと、東大医学部の人には誰か一発で判りそうだが。)

これら東大医学部出身の諸先輩方の、多様化しているキャリアを参考にされてはいかがだろうか。

医学部を出ながら、医療と関係ないビジネスに進む人はいくらでもいる

最後に、医学部を出た後で医師のキャリアを歩まない人はいくらでもいるのみならず、増えていることもここで申し伝えておこう。

国内大学最難関の東京大学医学部に入りながら、その後の進路をビジネスに振る人はいくらでもいる。たとえば先日の当セミナー参加者の中にも、アメリカの某有名大学医学部から米系コンサルの東京オフィスに入った女性がいるが、彼女もまた、院まで進学してからコンサルに入っている。 

京大医学部からゴールドマンに入った友人もいれば、既に研修医になったのに外資金融のトレーダーになった人もいる。そう焦って学部からコンサルを目指す必要もないとお伝えしておきたい。

確かに医学部はキャリアコースが極めて同質的で、自分の医療を離れてコンサルという進路がさぞかし不安なのはわかる。

しかし、そもそも医学を志して医学部に入ったわけではなく、親が医者だから、とか成績が良かったから、などの受け身の理由で医学部に入り、途中で本当にやりたいことが見えてきて医療の道から進路を帰る人も大いに増えているのだ。

最後は、「理系で院に進まずコンサルになった人はどう考えているか」などと、一般化できるわけないのに東大医学部らしくパターン化・モデル化しようとして振り回されてはいけない。

そのような一般化や仮説よりも自分が”ときめき”レベルでやりたいと思える選択肢を自分で選ぶことが重要なのである。

PS
ちなみに また本日も偶然、慶応の医学部の院を終え、コンサルを目指したいという人のキャリア相談を受けたばかりである。

医者の世界を飛び出して突如外資コンサル/外資金融を目指す人はかなり増えているので、「こんな進路変更を考えているのは自分だけかも?」と過度に不安にならず、頑張って欲しい。

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