
ゴールドマン・サックス証券、モルガン・スタンレー、JPモルガンといった金融機関への志望動機、アピールすべき強み、弱みの事例を紹介します。典型的10大面接質問への回答事例と講評を紹介します。
外資系金融に好まれる典型的10大ポイント~内定者はココをおさえていた!
1 なぜこの会社を志望していますか?
候補者回答
リーディングカンパニーで働きたいからです。活躍の場が多いであろうリーディングカンパニーに勤めることは高い実力を身に付けるには重要だと思いました。
外資系金融機関に勤務されている方々の話から貴社の営業が非常に好調であることを知り、貴社の一員として金融のキャリアの第一歩を踏み出したいと思いました。
外資セミナーからの解説
彼は残念ながら、しょうもないことを言ってしまっている。”リーディングカンパニーだからです””営業が好調だからです”などとアピールしても、単にオポティニュスティックと思われるのが落ちだろう。
2 その会社に活かせる、あなたの強みは何ですか?具体的にお答え下さい
候補者回答
強みはチームプレイが得意なことです。大学4年の夏休みに学会誌の学生編集委員を務めました。学生の視点で読み易い記事を作るのが目的で、私を含め異なる大学から9人が集まりました。
私達はテーマを「日本刀に見る匠の世界」に設定し、分担して刀鍛冶の現場や資料館などを取材しました。締め切り直前に私は複数の委員と共に合宿を提案し、最後は徹夜で議論しながら記事を仕上げました。
このようにチームに何が必要かを自分で考え、提言することでチームに貢献するスキルがあります。
外資セミナーからの解説
特に日興シティの投資銀行部門でなくても、どこの会社でも使える話である。だからこそ曖昧でぼんやりした印象を与えてしまっている。
投資銀行業務の業務内容はどんなものか?そこでの成功に必要な要素は何か? チームプレーもその要素の一つだが、これが最高の優先順位をここで得ており、しかもその具体例が「日本刀云々のあまり凄くない話」ではお寒い限りである。
3 あなたの弱みは何ですか?
候補者回答
弱みは緊張しやすいことです。これまで入学試験の前日などはなかなか寝付けないこともありました。
緊張しやすい性格に対処するため、予め準備できることは全て行うことをモットーとしています。
万全の準備をした後は必ず成功すると自分に言い聞かせるようにしています。扱う金額が大きい
金融の仕事は緊張する場面も多いと思いますが、今まで自分を信じて乗り越えてきたように、良い結果が出せるものと信じております。
外資セミナーからの解説
彼は正直者であり、人物的には好感が持てる。ただしこの解答が特に彼の強みを暗示しておらず、得点を稼げていないのは論をまたない。
「緊張を克服するために、事前に十分すぎるほど詳細に準備し、やれることはやったと納得感を持つことで緊張を克服しています。たとえば、、」みたいな展開にするのが有利である。
4 いままでの人生で、最も大きな達成事項は何ですか?
候補者回答
卒業研究において、先行研究での技術的限界を大きく超えたことです。テーマはレーザーを用いた銀ナノ構造物の創製で、研究を進める中で加工サイズの微小化限界という問題に直面しました。
その際、高校時代に習った銀鏡反応のメカニズムが応用可能ではないかと考えました。化学平衡論的にはそのアイデアが有効であることを確認し、実験で試行錯誤を重ねた結果、加工サイズは1000nmから300nmまで向上し、ブレイクスルーを達成することができました。
外資セミナーからの解説
これを待っていた!!
そう、この「銀ナノ構造物の創製で、研究を進める中で加工サイズの微小化限界という問題に直面」と「加工サイズは1000nmから300nmまで向上し、ブレイクスルーを達成することができました」という、「内容はよくわからないがどうやら凄そうな話」を貴方の持ち出す具体例のコアとして前面に押し出していいのだ。
、、、ただ聴いている人が退屈しない程度のさじ加減が重要だが。(この具体例だけで、本質的メッセージを投資銀行での強みにつなげないと、ずっと銀ナノの研究やってろよ、という話になってしまう。)
貴方は投資銀行のバンカー相手に「加工サイズは1000nmから300nmまで向上し、ブレイクスルーを達成することができました」を大連発しても仕方ないので、ナノの世界での精密な研究で6年間過ごしたので、細かな正確さでは誰にも負けません」程度の「なるほど、君投資銀行のアナリストとして、活躍しそうやね」というイメージに繋げることをお忘れなく。
5 いままでの人生で、最も難しかった決断は何ですか?
候補者回答
大学3年になるときにどの学科に進学するかが最も難しかった決断です。子供時代に憧れた航空宇宙学とこれから興隆期を迎えるであろうナノテクノロジーを検討し、自分が生きている間に大きく進展すると思われたナノテクノロジーを選択しました。
進学先の学科では良い友人に巡りあい、研究にもとてもやりがいを感じており、良い選択をしたと思っています。
外資セミナーからの解説
困難というにはなんか真剣度が伝わってこないし、進学関連の悩みとやらは大勢の人が挙げるので特筆する内容ではなかったが、彼の場合はその具体例が「子供時代に憧れた航空宇宙学とこれから興隆期を迎えるであろうナノテクノロジー」というように知的好奇心と能力の高さを示せており、得点を稼げている。
6 10年後は何をしていますか?
候補者回答
日本のテクノロジーを世界標準とする戦略的支援をしたいです。特にナノテクノロジーの分野は10年後本格的な実用化の段階を迎えると考えており、専門の知識が活用できるのではないかと思います。
7 他にどのような会社/業界を志望していますか?
候補者回答
外資系金融機関、戦略コンサルティングファーム、商社などを志望しています。今後どのビジネス分野においてもグローバル化が進むと思うので、国際ビジネスで活躍できる能力を養いたいと考えています。
8 あなたを弊社が、雇わなければならない理由は何ですか?
候補者回答
私には素質があると思うからです。現状では金融の専門知識が無いので即戦力とはなりませんが、私には努力する才能があります。これまでも自分を信じて受験勉強やサッカーなどで直面した困難を、他人より多く努力することで乗り越えてきました。好きな仕事であれば楽しみながら努力できると信じています。
9 最後に何か、質問はありますか?(会社にどのような質問をしていますか?)
候補者回答
学生時代の経験で、仕事に最も役立っていると思うことは何ですか?
投資銀行/戦略コンサルに提出しているエントリーシートに提出した書類から、一つエッセイを選び添付してください。
候補者回答
第一に、プロフィットセンターであるフロントオフィスで働きたいからです。仕事に対する充実感を得る上で利益という直接の形で会社に貢献できることは大きなポイントになると思います。
また前線で活躍する同僚と切磋琢磨することで自分の成長を促進できるのではないかと考えています。世界各国から有能な人たちが集まり、若い頃から重要な任務を得るチャンスがある職場はそうありません。成長の喜びを日々実感できる環境ならば、たとえ長時間労働となっても楽しめると思います。
第二に、私の強みを活かせる部門であると考えたからです。大学で工学を専攻している私にとって、強みは研究を通して身に付けた論理的思考能力と数理能力であると思います。
貴社の投資銀行本部に勤める兄の話から、例えば顧客を納得させる論理的プレゼンテーション、企業価値の算出および企業合併時のシナジー分析などでは理系的な素養が強く求められるという話を聞き、私にも活躍の場が多いのではないかと思いました。
またテクノロジー分野の案件を専門的に扱うチームも存在すると聞き、私の専門であるナノテクノロジー分野の知識が直接活きる機会もあるのではないかと思いました。
外資セミナーからの解説
7,8,9は平凡だったが、このエントリーシートは良かった。
投資銀行部門に勤める兄から話をたっぷり聴いているので、十分業務のつらさは覚悟できてるのだろうという安心も感じる。
ただこの兄さんは会社での評価は高いのか?もし上司に嫌われている人ならば、偶然苗字が一緒なだけです、と言った方が「とばっちり」を食らうこともないので留意してほしい。
(逆に兄さんの社内政治力が強ければ、面接は形式的儀式であり内定は決まってるようなもんである。)
外資セミナーからの講評
本面接内容は、世の中一般の「人と話すのが好きです!」「コミニュケーション能力が高いです!」「サークルの部員を二倍にしました!」という一般的大学生に比べ、当然雇いたい理由にあふれている。 彼は困難な領域で先行研究の内容を凌駕している。また今後確かにマーケットバリューが高まる分野でのexpertiseを有している。
こうなると「そのまま技術者になったら?」と典型的な突っ込みをいれて得意顔になる愚かな面接官にさえ出くわさなければ、strong buyなCandidateということができよう。
なお、身内が投資銀行部門で働いていることから、(よくその話を聞いてまだ志望する気になったな、、と感心するが。)「重々どれだけ辛いか分かっています」という覚悟のほども感じられて安心感がある。
(彼の強みが如実に表れている一例)
「卒業研究において、先行研究での技術的限界を大きく超えたことです。テーマはレーザーを用いた銀ナノ構造物の創製で、研究を進める中で加工サイズの微小化限界という問題に直面しました。」
「日本のテクノロジーを世界標準とする戦略的支援をしたいです。特にナノテクノロジーの分野は10年後本格的な実用化の段階を迎えると考えており、専門の知識が活用できるのではないかと思います。」
「第二に、私の強みを活かせる部門であると考えたからです。大学で工学を専攻している私にとって、強みは研究を通して身に付けた論理的思考能力と数理能力であると思います。
貴社の投資銀行本部に勤める兄の話から、例えば顧客を納得させる論理的プレゼンテーション、企業価値の算出および企業合併時のシナジー分析などでは理系的な素養が強く求められるという話を聞き、私にも活躍の場が多いのではないかと思いました。
またテクノロジー分野の案件を専門的に扱うチームも存在すると聞き、私の専門であるナノテクノロジー分野の知識が直接活きる機会もあるのではないかと思いました。」