
モルガン・スタンレー内定者の面接内容、志望動機、強み・弱み・投資銀行へのエントリーシート事例を紹介します。
なぜこの会社を志望していますか?
候補者回答
私が御社を志望する理由は三つあります。
第一に、投資銀行業界の高い将来性です。日本経済の間接金融から直接金融への移行、日本企業の財務戦略の変化、多様化などから、企業の投資銀行に対するニーズは高まっています。
拡大する市場において私が活躍できるチャンスも多いのではないかと考えました。
更に、日系金融機関が投資銀行業務を開始したのは比較的遅れており、先行する外資系投資銀行は大きな優位性を有しています。
外資系投資銀行で世界最先端の投資銀行業務に携わることは、私が金融業界で生き抜く上で大きな糧になると思います。
第二に、投資銀行業務そのものに強い興味があるからです。
私は大学一、二年生の間に、ベンチャー企業、MBOファンド、経営コンサルティング会社、外資系投資銀行の四社で中・長期的なインターンを経験してきました。
インターンの経験を通じて、企業の経営戦略、財務戦略に関心を持つようになり、それらに深く関われる仕事に就きたいと考えるようになりました。
今年の夏には、どのような職業に進むのか判断するために、コンサルティング会社と外資系投資銀行の投資銀行本部におけるインターンシップに参加しました。
投資銀行業務の、財務戦略の提案からその実行までクライアント企業に関わり、企業の変革の場に立ち会える点に大きな魅力を感じ、投資銀行業界への就職を希望するに至りました。
第三に、御社が世界で最も高い「信頼」を確立している投資銀行だからです。私は投資銀行にとって「信頼」というものが極めて重要だと考えます。
もちろん、どのようなビジネスにおいても大切ですが、アドバイザリー業務、特に投資銀行業務のように顧客への影響が大きい仕事においては、企業は顧客と強い信頼関係にあることが不可欠です。
投資銀行を信頼できらからこそ、顧客は部外者である投資銀行に会社の将来を左右するような重要な仕事を依頼できるのではではないでしょうか。御社は世界、日本国内の両方において多くの実績を有しており、顧客の高い「信頼」を有しています。そのような他社が得がたい強みを持つ御社は、今後も多くの大きな案件を獲得することができると私は考えます。
御社は、私が一流のインベストメントバンカーに成長するための多くの案件、機会を得ることができる最高の環境だと確信しています。
その会社に活かせる、あなたの強みは何ですか?具体的にお答え下さい
候補者回答
私の長所は二つあります。
第一に、向上心が強いことです。大学一、二年生時には、将来の目標、進路を見つけるために、四社で中期的なインターンを経験しました。
職場では、優秀な社員の方々と自分の力の差をいつも感じていました。しかし、継続的な努力によって、仕事の質を高め、上司の期待を上回る仕事ができるようになりました。
また、どんな仕事でも自ら進んで引き受けることで、社員の方々に貢献し、信頼を獲得することに成功しました。どんなに困難な仕事でも努力と工夫によって全うし、御社に貢献できる人材に成長します。
第二に、チームワークの大切さを知っていることです。チームワークの大切さは、ベンチャー企業の立ち上げに参加していた際に痛感しました。一人の人間がどれだけ優秀でも、他の人間の力がなければ大きな仕事を達成することはできません。
そして、この経験を通じ、チームワークを維持するためには常に謙虚でなければないということも学びました。
投資銀行業務においては、社内外の多くの専門家が協力してプロジェクトにあたらなければなりませんが、私はチームワークの維持、向上という点で御社に貢献することができます。
あなたの弱みは何ですか?
候補者回答
私の弱みは、一つのことに集中するあまり、他のことが疎かになってしまうことがある点です。例えば、中高生のころは、部活動に熱中するあまり勉強が若干疎かになってしまいました。
また、大学受検期には携帯電話なども持つのをやめ、友人とのコミュニケーションをとる時間を減らしてしまったので、人間関係に支障をきたしてしまいました。
しかし、大学に入学した後は、この弱点を克服するよう努めています。インターンをする一方で、大学の勉強もきちんとこなしています。
いままでの人生で、最も大きな達成事項は何ですか?
候補者回答
私は、コンサルティング会社においてアシスタントとしての職務をはたし、後輩にそれを引き継げたことを誇りにしています。
私は、二年生の8月に、あるプロジェクトのアシスタントとして働き始めました。
一生懸命働き、社員の方々の信頼を獲得することで、高い報酬とそのプロジェクトの後の労働契約の更新を実現させました。
そのプロジェクトの間は、毎日、14時間ほど一人で情報収集、資料作成の作業に没頭していました。現在は、私の後輩4人が働いています。
私は自分が与えられたチャンスを他の人間に少し増やして還元できたことを嬉しく思います。
いままでの人生で、最も難しかった決断は何ですか?
候補者回答
バスケットボールをやめたことです。私は、小学校二年生から中学校三年生までバスケットボールに熱中していました。人生で初めて夢中になれたものでした。
しかし、成長期に過度な練習をしていたため、膝を壊してしまいました。その後、バスケットボールを完全にやめるのか、それとも強くなることを目指さずにゆるやかに続けるのかという選択に迫られました。そのときに私は、完全にやめることを選びました。
遊び半分にバスケットボールに取り組むことは当時の私のプライドが許さなかったからです。
10年後は何をしていますか?
候補者回答
私は新卒で入社した後、7年間は入社した会社で働きたいと考えています。
最初の三年間で新しいことを学び、次の一年で学びつつ実践に比重を置き、最後の三年間で、ビジネスを自ら構築し、成果を上げたいと考えています。
その後の二年間は、海外へ留学したいと考えています。何かしらの分野について体系的な知識を身につけたいと考えています。
その後、10年後には、7年間の仕事の経験を基に、その分野で頑張っていくのか、他の分野に進むのかを決断し、自分のビジネスパーソンとしての戦場を選択したいと考えています。
投資銀行/戦略コンサルに提出しているエントリーシートに提出した書類から、一つエッセイを選び添付してください。
・ドイツ銀行 所属するゼミや研究室、課外活動におけるグループワークの経験において、チームでのあなたの役割や独自のアイデアによる貢献などについて具体的に述べてください。【和文500字以内】
私は一年生の時に、大学の先輩のベンチャー企業の設立に参加しました。
主な事業は慶應義塾大学における中古教科書のリサイクル事業です。私の役割は社長の下で組織の構築・運営(法務、人事、経理、広報など)をすることでした。
私は、当初の会社の課題であった知名度と信頼性の低さを解決するための広報戦略を作成・実行しました。媒体は塾生が運営する、塾生向けのメディア(Webサイト、雑誌)を利用しました。
その理由は三つあり、事業と媒体のターゲットが同じであり、利用者数が多いこと、塾生主催のために媒体に対する塾生の信頼性が高いこと、低コストで済むことでした。
内容に関しては塾生向けの情報サイトでは、会社の宣伝ではなく、社長に対するインタヴューという形で記事を掲載しました。優れたキャラクターを持つ社長の魅力を伝えた方が多くの方の興味をひくと考えたからです。
実際に記事から会社のHPへ多くのアクセスを獲得しました。塾生向けの履修情報紙とフリーペーパーにおいては、利便性と低価格を訴え、大きな反響を呼びました。
また、広告費に関しては履修情報の収集に協力することで低く抑えることができました。
解説:ポイントはオーソドックスだが、具体例が強く、内容も理路整然
非常によくまとまっており、かつポイントを押さえた面接内容である。
彼が掲げているポイントはオーソドックスでともすれば平凡だが、実際にその能力が強そうであることが、豊富な具体例から見て取れる。やはり学生にしてこれほどのインターン経験をすると、話すネタが多くてストーリーも地に足がついたものとなる。
また、チームワーク精神や、自分が後進のために機会を大きくできたことを達成とみなすなど、組織人として好ましい価値観を打ち出している。
10年後のビジョンに関しても、ユニークな回答で自分で正直に考え、誠実に答える姿勢が見て取れる。
難しい決断の内容でも、遊び半分ではなく真剣に打ち込む人物像が伝わってくる。
そしてこれらの要素全てが、投資銀行で活躍する若手に求められる資質であり、見事なプレゼンテーションに成功している。