
20代後半で今後のキャリアを考えた時に、海外MBA留学をすべきかどうか、迷っておられませんか?トップスクールへの留学は、目的によっては素晴らしい投資に、しかし下手すれば不要な2000万と2年間(ないし1年間)の苦痛になってしまいます。近年では起業家コースも充実してきており、ビジネススクールも変わってきています。
トップMBA留学の是非~外資コンサル・外資金融におけるMBA留学事情
経営陣の大半が、欧米著名MBAホルダー
MBA留学に行くべきか?このような意識を持つ人は多い。目的とタイプによりけりだが、グローバルな友人ベースのネットワークを世界中に作りたい人には、是非お勧めしたい。そして実際、グローバルビジネスをする上で、そこでの人脈は大きくものを言う。
実際のところ、外資コンサル・金融のマネジメント層は大半がMBAホルダーである。そして米国ならハーバード、スタンフォード、シカゴ、コロンビア、ウォートンが主流で、ヨーロッパなら断然インシアード、そしてLBSだ。
別に国内ネットワークでやってこれた一昔前ならまだしも、いまやコンサルも海外進出支援系のプロジェクトが非常に多い。またプライベートエクイティにしても、国内市場が縮小する中、ポートフォリオ企業の海外進出支援がますます増えている。
また外資系で働くのならばニューヨークやロンドンの本社から信任を勝ち取る必要があるが、当然さまざまな国のプロフェッショナルと自然に共同作業し、コミニュケーションすることに慣れている必要がある。そしてこれらの機会を、トップMBAプログラムの留学経験が提供してくれるだろう。
ちなみにGMAT受験者は皆さんの予想に反して年々低下してきている。これは、”中途半端なMBAに行っても意味がなかった”という背景と、別にMBA行かなくても様々なビジネスが出来るご時世だというのと、MBA行ってコンサルティングファームや外資金融に行くというモデルから、とっとと起業するというタイプの人が増えてきたからでもある。
これに対しビジネススクール側も、起業家専門のコースを創るなど、様相は様変わりしてきている。
グローバル・ネットワークを築く上で、MBAの役割は非常に大きい
目的次第でMBA行くべきかどうか、どこのスクールに行くべきかどうかが変わってくるが、グローバルなネットワークが必要な仕事をするならなおさら重要になってくる。
たとえば私の場合は入ってすぐ、モーリシャス出身の某英国銀行のITプロフェッショナル、南米から来たBHPビリトンの採掘担当者、インドから来たソーシャルアントレプレナー、ルーマニアの何をやってるかよくわからなかったがとにもかくにも美人、、、といった幅広い面々と友人関係を構築することが出来たものである。
これは、これまで外資系企業で多くの国々の同僚と働いてきた人でも、まったく違うレベルの友人ベースの、退職しても繋がり続けるありがたい人間関係を提供してくれるだろう。
逆に、国内サービス産業でOK!私は国内でやっていきます!!と固く誓っていてかつそれで生きていける人は、特に行かなくてもよい。実際ゴールドマンやモルガンスタンレーでも生え抜きで、国内大学出身で留学などせずして、国内地銀相手の債権セールスなどで、立派にマネジングディレクターまで上り詰めた人もいる。その後のキャリアとご自身の特性次第では、行っても仕方ない、2000万の費用に見合う経験だったかおぼつかない、という人も一部いるのは確かである。
中途半端な国内系”MBA”のアカデミック・クレデンシャルとしての価値はゼロ
さて、ちなみにもしもあなたがMBAに行こうとしているなら、かつ外資コンサル・金融の業界でのキャリアアップにつなげようとするのなら、所謂トップ20スクールと世界的に認識されているところでないと、むしろ行かない方がいい。
特にあらゆるサイトでCMばかりしまくっている某スクールは、そんなとこに行ってしまったというだけで、レジュメ上のちょっとした笑いものになったりもする。
まさに、”あっちゃー”といった感じである。
もちろん、お友達を作る、という目的ならそれは果たせるだろう。しかし、あくまでグローバルキャリアでのクレデンシャルという意味では、日本の某自称アジアナンバーワンビジネススクールなどは、時間と授業料の無駄であると、声を大にしてお伝えしたい。なお、海外でもサードティアとかの、いわゆる”アドミッションプロセスが実はマーケティングで、受けた人のほぼ100%が入れる”というMBAに入ってしまうと、これまた全くアカデミック・クレデンシャルにならないと付け加えておこう。
こういうスクールはいかにもあなたが素晴らしい候補者でインタビューにすすみたい、みたいな話を持ち掛けてくるが、単なるマンツーマンのマーケティングであることに注意したい。
MBAはどうせ行くならできるだけ早く行くべし
なお、どうせ留学するなら、25とか26でとっとと行ってしまうことをお勧めする。
私は少し遅れて行ったが、やはり20半ばの若者に比べ、サラリーというオポテュニティコストも数倍違うし、年下より経験をつんだ年上からの方が、仕事の人脈的には得るものが多いからだ。
かつ米系の学校は20代半ばがボリュームゾーンになっており、30になってくるとアプライ自体が不利になってくる。
最後に留学準備について書くが、GMATは自力で勉強すること。あれは独学でオフィシャルテキストを繰り返すに限る。あとスコアも680とったらもういい。むしろ660とかでも大丈夫なくらいだ。中には640でトップスクールに受かった人も何度も見ている(当然、清華大学のコンピューターサイエンスのドクターもってます、とか、ほかの部分が素晴らしければ、だが。。)
なんといってもエッセイ、そして意外なことに推薦状が重要なので、せっせとアドミッションコミッティー好みのする作文に取り掛かった方がいい。推薦状はちなみにトップ校は2通要求するところが複数あるので、どれほど上司のことが憎くても、二人だけは仲の良い人脈を築いておこう。
皆さんのご健闘をお祈りしたい。