
欧州系ナンバーワン投資銀行、UBS証券を、他の投資銀行と比較した時の特徴について解説します。
UBSでクービーです?解雇満載のUBS証券への就活・転職前に知るべき5点とは?
欧州系ナンバーワン投資銀行、グローバルでもトップ10の常連であるUBS証券。
スイス金融大手UBSがイギリスの名門SGウォーバーグと一緒になり、日本では2000年ころから業務を拡大してきました。
一方、リーマンショック後の組織縮小や、スイス本社のウェルスマネジメント回帰志向から、日本支社の動きも大きな影響を受けてきました。
UBS証券への転職、就職を考えるときの、他の投資銀行と比べたときの5大ポイントを、以下に解説します。
1.欧州系はまったりと穏やか、という思考停止状態の言説
まず、「欧州系は米系に比べて穏やか」「自由」「米系のようにミリタリーではない」「米系のようにガツガツしていない」などの、過去20年間ずっと根強く噂されている間違った言説を無視しましょう。
双方働いて、そんな風に感じている人はほぼいません。いたとしても単にチームや上司と相性があったかどうかの違いで、一般化はできません。
そもそも中で働いている人は、米系だろうが日系だろうが行ったり来たりしている人たちです。
欧州系だから個人を尊重する、や、自由で穏やか、などの壮大な勘違いをしてUBS証券を志望するのは、間違いです。
欧州系だろうが何だろうが、不況の時や社内政治の結果、解雇が吹き荒れる業界なのは変わりがないのです。
2.スイス本社の意向が強く、ウェルスマネジメントが花形
UBS証券の東京オフィスは、他の米系投資銀行同様、アジア太平洋地域の一支社に格下げされています。そしてアジアのヘッドクォーター機能は香港に移っています。
またそもそもスイス本社の意向が強く、日本のローカル事情に合っていなくてもグローバル戦略で上から降りてくる傾向にあります。
なお投資銀行業務はUBSグループにとって中核ではなく、メインでありUBSがグローバルで一番強いのは、富裕層向けのウェルスマネジメントになります。
UBSグループへの入社を考えるにしても、投資銀行に入るのとウェルスマネジメントに入るのでは、業界でのポジショニング及び今後の市場成長性が大きく変ってくることに留意しましょう。
3.イギリス・オーストラリアの大英帝国支配が強い
UBS証券の社内は国際的な雰囲気で、イギリスやオーストラリアから派遣されてくる社員もたくさんいます。
一方で上層部は彼らがコントロールしていて、リストラされるのは(他の外資系証券と同じですが)一般的にアジア人にしわ寄せがくる傾向にあります。
なお彼らは日本語が達者な人が多く、日本の投資家やクライアント企業と流ちょうに日本語でコミニュケーションできる人がほとんどです。(社内公用語は英語ですが)
4.投資銀行部門はTier2、株式部門は強く、債券部門は縮小
投資銀行部門は一時強化して株式引き受けや転換社債引き受けでランキング上位に躍り出て、M&A件数もトップ5に迫る時期もありましたが、リーマンショック後のリストラ諸々で現在は総じてTier2バンクと位置付けられています。
債券部は縮小しましたが株式部門は調査部、営業ともに強いプレゼンスを保っています。シティグループ同様グローバル、アジア各国に大きな存在感を有しています。
5.新卒社員の海外研修・海外勤務には熱心
米系トップティアの投資銀行に比べてパッとしないことが多いUBS証券ですが、社内がグローバルだからか、海外研修や海外勤務の機会には比較的恵まれています。
入社後の1か月のロンドン研修や、アソシエイトに上がった時の希望者のニューヨーク勤務、ロンドン勤務など、評価された人には海外経験の貴重な機会を提供してくれます。
上記を鑑みたうえで、UBS証券を他の投資銀行に比べて考えられる際は、ウェルスマネジメント業界に関心があるのであればUBSのウェルスマネジメントを志望するのが良いことを知っておきましょう。
また投資銀行業務は米系トップティアに比べて落ちること、しかし株式部門であれば他バンクに比べて遜色ないポジショニングであること、そして欧州系だから穏やかで首切りが少なく働きやすい、などということは決してないことを鑑みたうえで、面接に臨むのがよいでしょう。