
就職活動で、大学の専攻や、ゼミの研究テーマ、研究で頑張ったことなど聞かれますよね。ただこの大阪大学基礎工学研究の就活生の方のように、志望先と、やってきたことが全く関係なく、経営の知識も何もないことを心配される方も数多くいらっしゃいます。しかし既に多くの方が話していると思いますが、大学での選考はコンサルの選考にほぼ関係がありません。大切なのは、その会社で活躍するために望ましい基礎的な行動パターンを兼ね備えているかどうかです。では今から何ができるのか?以下にその4パターンを解説致します。
就活で大学の専攻が志望先と全く関係ない~今からできる対策4パターンとは?
大阪大学基礎工学研究の学生からの質問
私は何か問題が起こったとき、冷静に対処し最善の結果を出すことが出来る自信があるため、コンサル業に向いていると思っています。かなりおおざっぱですが、コンサルの志望理由はこの部分が大きいです。
しかし、大学では理系専攻なためもあり、金融業界に対する知識や、金融に関する経験などが、他の志望者に劣っていると思われます。
そこで、今から選考までにこれだけはしておいた方がよい、という事があれば是非教えてください。そのようなものがない場合、ないと回答して下されば結構です。
回答:候補者は、経営のバックグラウンドがない人が大半~重要なのは基礎的な行動パターン
たしかにその”志望動機”は、おおざっぱ過ぎます。間違ってもそんな大雑把過ぎる志望動機、面接で言わないように気を付けましょう。
さて、多くの人が言っているかと思いますが、専攻がコンサルに関係ないということは、特に選考に響きません。金融の知識の有無なども、面接官がよほど変わった人でない限り、問われません(ただし、株式調査部とか志望するなら、いま買いの株は何か、と聞かれるのはお決まりです。)
実際、コンサルと関係ない専攻分野からコンサルを目指される方はたくさんいらっしゃります。近年では理三の学生も何人も当セミナーに参加してらっしゃいますし、投資銀行やコンサルにも近年、医学部や薬学部、数学科の方々がかなり押し寄せてきています。医薬のバックグラウンドと経営の経験を組み合わせ、病院経営や医療の仕組みづくりにキャリアビジョンを見出す方々も少なくありません。
なお専攻が経営コンサルに近そうに見える学部も、特に実務で役に立つスキルを準備してくれるわけではありません。経済学部も文学部も建築科も、コンサルや金融の実務で使える知識を備えて応募してくる方はほぼいませんし、採用側もまず期待していません。
それよりも、実務知識を早期に覚える学習スピードの速さや、モティベーションの高さ、自律心や責任感の強さ、チームワーク能力など、基礎的な適性・行動パターンをより重視しています。
仮に就活までに時間があれば、やるとよい経験になる4パターン
大学3年生になって”選考までにこれだけはしておいた方がよい”というのは、遅いです。突然インターンとかボランティアとか始める人がいますが、面接のためにこれらを始めて装うのは、考え物です。
仮に大学一年生で時間が2年あれば、第一に好きなことを思いきりやって自分が好きなものを見つけてくださいと言うでしょう。面接で”大学で一番力を入れたことは”と問われるのみならず、そもそも(公共の秩序に反しない範囲で)夢中になれることを探すことほど、人生を豊かに過ごせるものはないからです。
第二に、できればチームでする活動に取り組み、自分だけでなくチーム全体のパフォーマンスを挙げる活動に打ち込むでしょう。自分の腕一本で生きていくプロフェッショナル志望であれば別ですが、コンサルに限らず多くの組織の仕事は、チームの生産性を高められる人が重宝されるのです。
第三に、客相手のバイトやインターンで積極的に働き、店長のような人をマネッジして顧客満足度を高めるような仕事をするのもよいです。たとえばバイトとして服飾店に入ってバイトでありながら自発的に役割を拡大し、やがてほかの店舗の営業戦略も任されるようになった、などのリーダーシップ経験を語る学生さんはやはり強いものがあります。
第四に、海外ボランティア(最近ではタイガーモブなど海外インターンに送ってくれる有料サービスが存在。コロナショック以降、オンライン海外インターンも増えたので、よりお手軽に参加可能)や海外インターンで、海外経験を積むでしょう。
時間がない時にできる、コンサル対策4パターン
では、いまさら上記のような活動が出来ず、就活が数か月後ないし、真っただ中という場合は、今更何ができるでしょうか?
第一に一番効くのは、コンサルで長い経験を有する先輩に模擬面接してもらうことです。学校の友達では役に立ちません。エージェントも、エージェント自体がケース面接できないことが多いので、間違った知識を植え付けられかねません。(経験豊富な方であれば別ですが) あくまで、実際の経験者に模擬面接してもらう、そしてダメでも率直にダメ出ししてもらう、できれば複数の人にしてもらう(個人によって好みが違うので)、これが効果的です。
第二に、やはり面接で何が聞かれるか、それに受かっている人はどう答えているか、コンサル好みのケース面接回答とはどのようなレベル感か、を幅広く知ることです。これは、決して志望動機などを真似するように言っているのではありません。あくまで、客観的に自分の面接回答内容を他の合格者と比べ、自分の回答パッケージを相対的に客観視するためです。
画一的な、絶対的な法則はないですが、”合格する回答の幅”を知っておくことは、自身の回答内容をチェックするうえで大きな助けになるでしょう。
第三に、そもそも面接慣れすることです。賢いのに落ちる人の特徴が、やたらと緊張したり肩に力が入りすぎて、可愛げがない人々なのですから。
きちんとリラックスして自然な笑顔で、誠実に率直に答えられているか、チェックしましょう。間違ってもカチカチの大演説をぶってはいけません。用意してきたのむきだしの1分スピーチなど聞きたくないのです。
第四に、無駄な努力を止めることです。コンサル勉強会やコンサル対策の本、元コンサルによる就活塾など、コンサルを長くやった人から見ればかなり残念なコンテンツを、右も左も分からない就活生に押し付けている人が少なくないのも、残念な現実なのです。
やたらと受かるためのテクニックや、”絶対内定””こう聞かれたらこう答えろ”などと決めつけてくる人は、大抵間違いだらけですので、あまり真に受けてはいけません。
受験勉強でもあるまいし、絶対のルールなど存在しないのです(だいたいたいていはこうだよね、くらいのパターンはありますが)
コンサル志望者のよくある下手なアピールとは?
なお自己アピールの時、間違っても、冷静な対処”“最善の結果”など、浅薄な印象を与える言葉を連発されてはいけません。
すると、よっぽどそこに凄まじい具体的な実績を示す具体例が無い限り、面接官にたいしたことなさそうな印象を与えてしまっています。
また、確かに周囲がパニックの時に冷静な対処ができるのは素晴らしい能力ですが、それ一本でコンサル目指していると言われると、その違和感は相当なものです。
むしろ、仮に本当に”周囲がパニックになっているのに冷静な対処ができる”のであれば、コンサルに限らず幅広い機会で活躍できる資質でもあります。
自分のどんな強みと、どんな将来ビジョンと、どんなカルチャー重視の結果がコンサルなのか、はたまた他のオプションなのかをよく考え、コンサルに猪突猛進されないことも、あわせてお勧めしたいと思います。