
プライベートエクイティ業界に入るまでは、よくわからないLPの世界。いや、アソシエイト、ディレクターレベルだと、PE業界に入った後も、よくわからないままかもしれません。以下ではPEファームのパートナーがファンドレイズで常日頃対応するファンドオブファンズでのキャリアの意外な魅力について、解説致します。
プライベートエクイティ業界への転職で、GPよりも、LPの方が向いている人の特徴とは?
1.・良質なネットワーク獲得~ガチで”偉い人”ばっかと仕事する
プライベートエクイティファンドオブファンズは、プライベートエクイティファンドに投資する仕事なので、日ごろ相手にするのはプライベートエクイティファンドの創業パートナーや代表パートナークラスです。
またお客さんサイドも、スーパーハイネットワース(超富裕層)や公的年金、国富ファンドの偉いさんが多いので、日ごろ接する人々は資本主義の上層部にいる人たちが主なお客さんとなります。
たとえば、KKRのアジアヘッドに会ったり、大手のファンドオブファンズですと、クラビスロバーツ氏自身と面談できたりします。
2・几帳面で英語が本当に上手ければ、結構誰でも出来る(ローリスク)
ファンド投資は、実際に投資する会社を探してきたり、バリューアップしたり、エグジットしたりといった面倒な仕事はGPに任せる仕事なので、一度ファンドに投資したら、その投資が解散するまでに実に10年以上、特に投資先のバリューアップなどに関しては、やることもなく過ぎ去ります。
もちろん、なにもしないわけにはいかないので、ファンドオブファンズへの投資家に四半期に一度いろいろと報告します。また投資先ファンドの状況が思わしくなくなれば、時にはファンド解散に追い込むこともあります。しかし基本的には、投資家へのレポーティング業務が主です。
もちろんディールソーシングとして、投資先のPEファンドを探しもしますが、大きなファンドオブファンズですと、向こうからくることが大半です。
ファンドオブファンズの業務の大半は投資家レポーティングとファンドレイズなので、投資判断の能力というより、完璧な英語力(特に文章の無駄なき高級な美しさ)が勝負の決め手のひとつになります。
3・幅広く案件を見れて、世界中飛び回れる
これが旅行好きには嬉しい特典なのですが、ファンドオブファンズはデューディリジェンスと称して世界中の投資家や、投資先のプライベートエクイティファンドに会いに行くので、海外旅行が実に多いです。
また投資先のプライベートエクイティファンドが年次総会と称して世界各国でカンファレンスを開催するので、投資先が何十もあると、年がら年中、毎週のように違う国・年に居ることになります。
またそれら投資先プライベートエクイティファンドが投資する多様な案件も見ることが出来るので、浅くても幅広くディールを見るほうが好きなタイプは、実はファンドオブファンズの方が、向いていたりします。
幅広い職種があるプライベートエクイティ業界での”立ち位置”選択の参考にしていただければ幸いです。