
コンサルからのPE転職志望動機(1).コンサルでのアドバイザーとしてではなく、PE転職後に意思決定者として長期間コミットしたい
圧倒的に一番多いのが、この「コンサルとしての短期のかかわり方ではなく、オーナー投資家としてバリューアップを実行し、長期的にコミットしたい」という志望動機です。
アドバイスをしても実行されなかったり、実行してもその結果が見れなかったり。
またそもそも実行の仕方の方が難しいプロジェクトが大半なのに、実行に参画しなければ経営力が磨かれないという問題意識だったりがミックスし、PE転職志望する方が多くいらっしゃいます。
コンサルからのPE転職志望動機(2).コンサル的な動き方は一通り学んだので、財務・法務・会計・交渉・買収・エグジットなど一通り経験したい
これもコンサルからのPE転職志望動機アルアルです。
戦略コンサルは広く産業を見れる一方、実は経験・関与できるレベルがある意味偏っているので、「自分がビジネスパーソン、経営者として一人前になるには、コンサルだけではなれない」と問題意識を抱き、「経営の総合格闘技」とも言われるPEに転職するパターンです。
プライベートエクイティではコンサル時代と異なり、ファイナンス、税務、法務、契約、交渉とビジネスの実行に伴う多様な経験ができますので、これらを求めてコンサルからPE転職を志望される方が多くいらっしゃいます。
コンサルからのPE転職志望動機(3)・PE投資家として、コーポレートガバナンス改善の方法を学びたい
コンサルは取締役会でプレゼンすることはあっても、取締役会の役員を解雇したり、機能するように取締役会の改善策を考えたりすることはありません。
コンサルの客はあくまでも企業の経営陣です。そして当然のことながら、自分の客の解雇をアドバイスするようなコンサルタントを雇う客はいないのです。
しかしながら往々にして企業の問題点は、経営陣の選定やその意思決定プロセス、つまるところコーポレートガバナンスの欠如であることが多いものです。
そこでコンサル出身者がエゴンゼンダーのような経営陣選定や役会改革に実績のあるファームや、プライベートエクイティファームでガバナンス改善の方法論を学ぶべく、PE転職を志望されるコンサルタントの方も数多くいらっしゃいます。
コンサルからのPE転職志望動機(4).ワークライフバランスの改善
ここから以下の志望動機は、PE転職面接で言っても仕方ない転職志望動機なのですが、実際にこのような動機でPE転職を志望される方が多いので共有します。
やはりワークライフバランスの改善を理由に、プライベートエクイティ転職を志望するマッキンゼーコンサルタントは数多くいます。
とくに30代中盤で結婚し、子供もできると、国をまたいだ出張だらけの生活はきついもの。
そこでPEの中でも、さらに暇なLPサイドのポジションにPE転職を希望する方も多いものです。
この「プライベートエクイティ転職」は一般に、マッキンゼーコンサルタントでも(PEプラクティスで公的年金にPE投資プログラムアドバイザーをやっていた、というのでもない限り)30代後半になると転職が難しくなるので、出来れば前半、遅くとも中盤までに決断するのが望ましいです。
コンサルからのPE転職志望動機(5).キャピタルゲインで儲けたい
コンサルからPEへの転職志望動機でやはり多いのは、30後半以降の稼ぎ方変化です。
30代後半まで、シニアパートナーとはいわずともアソシエイトパートナークラスに昇進すれば、2500万から3000万弱の報酬が得られます。
しかし労働時間は長いですし、シニアパートナーへの競争は厳しいですし、3000万貰っても税金と社会保障を払えば1600万くらいしか手元に残りません。
しかもこの金額と労働時間は40代になると、長期的には維持が難しくなるのです。
そこでPEサイドに回って、10年気長に待ってもいいから億単位のキャピタルゲインやキャリーを、毎日7時には家に帰る生活で得られるようになりたいと思い、PE転職を志す人が少なくないのです。
しかし注意したいのは、30後半の未経験からのPE転職は、その可能性がグッと落ちていることです。マッキンゼーやBCGからPE転職を志望するにしても、30代前半までには実行しておかないと、選択肢がかなり狭まってしまうことを頭に入れておきましょう。
(中にはベインの某国代表から、40半ばでいきなりPEファンド立ち上げに成功した人のケースもありますが、それはまた次回以降のコラムで解説致します。)