コンサルからスタートアップに転職して全く役に立たない人の、悲しき6大特徴とは?

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コンサルからスタートアップに転職したり、起業する人が増えています。メディアでは元マッキンゼーやBCGのユニコーンベンチャーのCxOがもてはやされていますが、実はコンサルからスタートアップに転職し、全く活躍せずに失敗し、後悔している人も数多くいます。大手コンサルファームからスタートアップに転職して後悔しないための6大ポイントを以下に解説致します。

コンサル転職組の多くは、スタートアップで役に立たないのは何故なのか?

マッキンゼー、BCGなど戦略コンサルファームから独立してスタートアップに転職、ないし起業した人の成功ストーリーがフェースブックのニュースフィードを埋め尽くしている。

今マッキンゼーで3年目、昇進したてのあなたも、「イケてる同僚と組んで大学の研究室の先輩がやってるVCから1億調達して、5年以内にマザーズにサクッと上場して、その後はエンジェル投資家かシリアルアントレプレナーでもやりつつ、西麻布のイーロンマスクを目指したるで、、、」くらいに思われているかもしれない。

しかしながら、一部の”比較的上手く行ったケース“のみフェースブックにアップされるのであり、多くのスタートアップCxO転職や企業は、見るも無残な失敗に終わることも多い。

以下では、コンサルがスタートアップに転職ないし起業するときに大失敗する6パターンを、数多くのスタートアップ失敗事例を見てきた経験から解説しよう。

スタートアップ転職後は、競合分析よりも敏捷さが重要~ひたすら正解を考えている人より、とにかく手足を動かしてくれる人が必要

コンサルからスタートアップに転職して最も役に立たない人が、ひたすらコンサル時代と同じよなパワポ資料やスケジュール表を一生懸命作っている人だ。(その資料の文言も、“・・・・だと思料”云々の古巣のコンサル用語で書かれており、読んでいてイライラすることも多い。)

スタートアップは時間とスピードが勝負だ。何か一つの行動を移す前にデータや情報を調べてフレームワークをつくって3か月かけて方針を決めるようなコンサルタント的な動きをしていたら、全く使えない人になってしまう。

コンサルからスタートアップに転職したら前職のやり方を忘れよう。

壮大なパワーポイントプレゼン資料やプロジェクト体制、プロジェクトオーナー、スケジュール表などといったコンサル仕込みの資料を作って「仕事をしているフリ」をしても、何らバリューは生じないのである。

スタートアップの最初の基本を外さない~最初の資金調達とチームビルディング、外注先選定で失敗してはいけない

スタートアップというと、勢いがあり登り調子で爆発的な成長をしていそうなイメージを呼び起こす。しかしその実、スタートアップというか、スタートダウンと言った方が実態に近い会社も数知れない。

私は、最初にエンジェルから集めた3000万円でエクイティのかなりの部分を手放してしまい、その後の資金調達に難航し、結局最初集めた資金を買い戻すのにかなりのプレミアムを払って破産寸前に追い込まれたケースも目撃してきた。

また人材採用に失敗するのみならず、外注業者、ベンダー選びにも失敗し、高いコストを払う割にウェブサイトがいつまでもしょぼい会社も、何時までも立ち上がらない。

外注業者を変えるにも前のデベロッパーが今どき誰も使っていないルビコンレールで書いていたために、引き継いでくれるデベロッパーが見つからないといった悲惨な例も、目撃してきた。

資金調達条件にしても、最初のチームにしても、外注先選定にしても、最初の重要な意思決定に躓くと、その後情けないスタートダウンの転落人生が待ち受けているのである。

世の中の企業や人は、何に困っているのかを理解する~自分で世の中の”困りごと“にソリューションを提供

コンサルからスタートアップに転職して成功する人は、自分でビジネスを創出しなければならない。

言い換えれば世の中の困りごとのうち、自分だからこそより上手くないし安くソリューションを提供できるサービスを、機会費用を上回る価格で売らなければならないのだ。

このために、コンサル在職期間中に幅広く“世の中の企業はどのようなことに困っているのか”を学習し、3年で10案件くらいのケースを経験する中で、自分で起業して解決できそうな課題を見つけ、そのエクセキュ―ションにまい進しなければならない。

逆にコンサルをしている間にプロジェクトに恵まれず、同じプロジェクトの長期実行支援に回ってしまったケースは悲惨だ。コンサルを2年したのに全部同じクライアント企業の案件だった場合は、世の中の困りごとというより、その企業特有の困りごとに視野が閉じて終わるのである。

コンサルから転職して起業やスタートアップ転職を考えている人は、コンサル時代に “世の中の企業がどのようなことに困っているのか”という大きな課題を数多く学ぶことに心血を注ごう。

自分は何を好きなのかに近づく~優秀な人材と同じ軸で争う人生の終焉

コンサルへ就職・転職を希望する人の大半は、コンサルで幅広い仕事に触れている間に、“自分がやりたいこと”を見つけようとしている。

そしてその試みの大半は、無駄に終わる。それは仮に毎年3つも4つも異なる企業のプロジェクトをこなし、5年で15プロジェクトに参画したところで、ある程度勉強になったり面白い案件に出会うことは出来ても、自分が人生を賭けて解決したい課題などに出会うことはほぼ無いからである。

たまたま入ったコンサルプロジェクトで、自分の問題意識や価値観が形成されていくケースももちろんあるが、コンサルとスタートアップの本質的な違いの一つは、前者は他人から解決してほしい問題を定義されるのに対し、後者は解決する問題を自分で定義するということである。

チームワークやリーダーシップよりも、“自分がまるっと一通りできること”で始める人が、勝率が高い

コンサルからスタートアップに転職するなり起業するなりするときは、どのようなテーマやビジネスを選ぶか、よくよく考えたほうがいい。

情熱を起点に働くのがスタートアップだとはいえ、情熱だけでご飯は食べられない。

とくにBtoBのクライアントが多いコンサルだと、BtoCの勘所がつかめない人も多く、いざC向けのスタートアップに身を転じた時、自分でできる仕事がほぼ無い元コンサルタントが、一番使えない。

ここで、サービス選定の重要な基準が、“いざとなったら自分ひとりでプロトタイプをまるっとつくれるかどうか”である。

何か少し直すたびにデベロッパー、デザイナー、エンジニア、セールス、ライターにコミニュケーションコストを払って動いてもらわなければ何も進まないようであれば、その仕事は自分がやるべき仕事ではない。

その問題解決のために自分ができることが多いからこそ、自分の稼働率を高められるし、労働という形での出資が可能になるのである。

スキルアップではなく、リーダーシップとアントレプレナーシップが重要~起業したのに、いつの間にかプロフェッショナルを突き詰めてしまわないこと

コンサル出身者に限らず、これは外資金融出身者もやってしまいがちな失敗である。

起業したら自分のスキルではなく、様々なスキルを持った人を集めてチームワークを指揮するのが起業家の仕事となる。

しかし起業した後も自らが職人と化して、コードを書く勉強をいつまでも続けていて、その人のスキルは上がるが、何事も起こらない人がいる。

スタートアップに身を転じたら、自分の役割は自分のスキルを磨くことではなく、リソースを調達して方向性を示す、アントレプレナーシップとリーダーシップを実践することだ。

コンサル時代のように、会社から決められた評価項目に沿った行動様式に自分を当てはめたところで、何事も事業は起こらない。

大切なのは、ビジョンを実現するために必要な人を同定し、そのような人々を引っ張ってきてモティベートすることが重要なのである。

起業の目的を見失わないこと~BCGでコンサルを続けた方がインパクトが大きな人も多い

起業の目的が、たんなる小銭稼ぎな人は、やっている仕事の規模やクオリティがどんどん下がっていく傾向にある。

たしかにBCG時代に貰っていた2000万円を超える収入を得られるようになったが、相手にしているお客も、一緒に働いている同僚も、仕事のインパクトも、どれもがスケールダウンしてしまっている人も少なくない。

仮に企業の目的が、“もっと楽に働いて、コンサル時代と同等の収入を得る”というものであればそれでもかまわない。しかしビジョンが小さいと資金も優秀な人材も引き寄せることができず、結果的に自分が世の中に与えるインパクトが、サラリーマン時代より圧倒的に小さくなってしまう人も少なくない。

もちろん、人生の目的から“世の中に大きなインパクトを与える”という、ともすれば外的承認欲求に根差す要素を排除して生きることに、若くして納得していればそれでもかまわない。

ただし一定以上の金銭欲求が満たされれば、たいていの人は“自分は引き続き社会に貢献している”という自己効用感を求めるものである。

したがってコンサルからスタートアップに転職する時は、くれぐれも“BCGに居座るより自分のインパクトを大きくする自信があるかどうか」を自問するようにしよう。