
プライベートエクイティファンドからの辞め方も、色々です。3年務めてアソシエイトから上がれる見込みがなく辞めるケースもあれば、ディレクターに上がったものの、そのポジションに期待される役割を果たせず、到底パートナーに上がる見込みがないと早晩見切られ辞めていくケースも。これに対し、古巣のパートナーから資金調達したり、在職中に信頼関係を築き、退職後に独立した自分の会社とジョイント形式でビジネスを始めるなど、辞め方にも天と地ほどの差があります。
古巣のPEファンドから資金調達して辞めるツワモノたち
PEファームで共に働いてきた多くの同僚を振り返った時、結構数年で辞めていく人も多いのだが、その辞め方もピンキリである。
一番悲惨な辞め方は解雇だが、3-4年とアソシエイトを続け、ディレクターに上がれずに自主退職を選ぶ人も少なくない。
アソシエイト生活3年超えてリンクドインのレジュメがディレクターに上がらずPEファームを辞めていく人は、実は大抵このパターンである。
もっとも、中には最初から3年で辞めると宣言して、プロモーションのタイミングで辞める珍しいケースも一人いた。その人は社内のパートナーほぼ全員から結構な金額を資金調達して、独立時は古巣のパートナー全員の資金とサポートをバックに巣立っていった。
この他にも、古巣のPEファンドのLP投資家から資金を引っ張って辞めていく人もいた。下手したら訴訟問題に発展するところ、古巣のオーナーに気に入られていた上仁義も通していたので、古巣のオーナーからもLP出資されるという好待遇で辞めていった。
このような「古巣PEファンドからの独立支援」を受けてやめていく人が、PEファンドからの卒業方法としては、最強の部類に属するだろう。
PEファンドを辞めたあと、そのPEファンドにサービスを提供するツワモノも
他にも、「こんなPEファームからの辞め方があるんだ」と感心させられたのが、とある医療業界出身者の辞め方であった。
彼は経歴もピカピカで人物もすばらしい優秀な愛されキャラだったのだが、もとからやりたかった医療業界の再編を起こすべく、自分の会社を立ち上げる。
そして、なんとその自分の会社と古巣のPEファームのジョイントベンチャーという形で、下っ端アソシエイトやディレクターから何年もかけてパートナーに昇進するのを待たずに、実質一国の主となったのであった。
そのイニシアティブは急成長し、いまでは古巣のファンドの主要ビジネスの一角に成長。
同じPEファームに在籍していても、在職期間の過ごし方や、ファームと築く信頼関係の強さには大きな差があるモノである。
同じ社名がレジュメにのっていても、それが意味する実力は天と地の差があると実感するのであった。