なぜ投資銀行や戦略コンサルより、GAFAの方が圧倒的に儲かり未来が明るいのか?

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就活にしても、転職にしても、今時”とにかくコンサル””とにかく外銀”という発想は、考え直しましょう。もちろん、その人のビジョンや特性によってはこれらの業界は引き続き魅力的な就業機会を齎しますが、重要なのはどの業界に、最もお金になるデータが最も早く大量に集積するのか、またそれらを分析・加工してマネタイズできるのかという考察なのです。以下では、かつてはマッキンゼーやゴールドマンサックス出身者はMBA留学を経てPE転職志望者が多かったのに、今ではGAFA海外オフィス転職者が増えている背景を解説します。

なぜ投資銀行や戦略コンサルより、GAFAの方が圧倒的に儲かり未来が明るいのか?

最近、海外トップMBAの卒業生にとって最も人気のある就職先は、マッキンゼーやゴールドマンサックスではなく、GAFAなど大量のデータを有するデータサイエンス企業に移ってきている。

実際に私の友人も、MBA留学をする前はベインやマッキンゼーで働いていたのが、これらデータ系の企業に入ったり、データサイエンスを応用したイノベーションサービスで起業したりとという流れが加速している。

少し前はMBA後にプライベートエクイティ業界への転職をするケースが多かったが、今ではすっかり、グーグルやフェースブックのシンガポールオフィスやスイスなどのヨーロッパオフィスで働くケースが増えているのだ。

これら業界では自宅勤務やフレックス勤務が浸透しているのみならず、労働時間もそう長くはないし、オフィスには一流のシェフが無料のランチを提供してくれる。そして給与も最も競争的な水準である。

実際にGAFAの創業者が世界富裕層ランキングを塗り替えており、世界中の富を集めているのは事実である。

この中で、実はアップルだけデータサイエンスというよりは圧倒的なブランド力で稼いでいるのだが(実際のところ、世界の市場シェアを巡るライバル華為と製品力の差はないのに、企業価値は実に10倍以上の圧倒的な差がついている)、Gogle, Facebook, Amazonは世界を代表するデータサイエンス企業でもある。

その圧倒的なデータ量は、他のどの業界・企業をも寄せ付けない。結局のところ、「最もお金になるデータを最も保有し、加工・分析・活用できる企業」こそが、「最も稼げる会社」なのだ。

「最も富を産み出す情報」が、どこに集まるのかを考えよう

従来は、大企業の資本取引を伴う投資銀行などのグローバル金融機関や、同じく大資本と予算を有する大企業から高額のフィーを受け取る戦略コンサルティングファームに「世界で最も金になる情報」が集まっていたので、これら業界が面白く、かつ最も稼げた。

(日本のケースで言うならば、かつては中央官庁や銀行、商社に最も重要な情報が相対的に一番集まったからこそ、最も競争的な人材を引き寄せることができたのだ。)

しかし2020年代の今、最もエキサイティングな機会は最も有意義なデータが大量に集まる会社だと考えれば、魅力的な就業機会が企業分析・投資分析から、ビッグデータ分析をできる人にシフトするのは、自然な流れである。

また一度、大量のコンシューマーデータが集まるプラットフォームを築けば、そのデータを活用して様々なビジネスをDXすることができる。

グーグルは教育や銀行業にも乗り出しているが、世界中で「大量のコンシューマデータ」を有するテレコム企業が、送金や小口融資など金融業界を急速に塗り替えているのは、御存じの通りである。

魅力的なビジネスの特徴とは、最も価値ある変革を齎せるビジネスのこと

最近も私の友人が、とある大手投資会社からグーグルの日本法人に30代半ばで転職した。

彼女は以前はその巨大ファンドの投資先のビジネスを日本進出させるという、効果が上がらなかった退屈な仕事をしていたが、今では日本の政府機関にGoogleが有しているXX情報(見る人が見れば特定可能なので伏せておきます)の活用法を教える立場で、周りはシニアな官僚のおじさんと学者だらけの審議会に一人若手で参加している。

なにせ将来のイノベーションの源泉はデータサイエンス/テクノロジーにあるので、多くの企業や政府機関から、その知見が引っ張りだこなのだ。

思えばかつては新たな金融商品や金融市場、ないしコンサルティングパッケージが企業や社会を最も大きく変えることができた。

しかし今となっては正しいDXによる企業や社会の伸びしろの方が、よっぽど価値創出効果が大きいのである。(正しいDXと書いたのは、よく見るとDXでもAIでも何でもない、似非DXが市場に横行しているため。)

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