
ゴールドマン・サックス、ベインアンドカンパニー、ライブドアなど様々な輝かしい経歴を経て現職である株式会社経営共創基盤(IGPI)の共同経営者・マネージングディレクターをされている塩野誠さん。転職を重ねながら常に世の中の最前線を走り続けている塩野さんの大切にしている信念とは何なのか。SDGsやESGに近くで触れてきた塩野さんだからこそ抱く、日本の企業が取り入れている“トレンド”に対する疑問とは何か。またZ世代女性が企業を選びやキャリア選択において直面する課題について、塩野さんに率直な意見を伺った。
経営共創基盤の塩野誠氏が生まれ変わったらアイドルのスカウトマンになる理由とは?
本インタビュー記事は、2021年8月24日に開催されたZキャリアフォーラムの講演内容を記事化したものです。SAとはStudent Ambassador(ストロングキャリアの大学生就活オンラインサロンメンバー)を指します。
塩野誠氏が断言:「私にキャリア戦略など無かった」
塩野さんのお話は「長期的な将来のことはわからないのだからそれを考えても仕方がない」という観点と、フィンランドの在住経験から北欧の先進的なESG企業、SDGs活動を幅広く見てこられたのでそうした観点からZ世代女性へのキャリアインプリケーション、また20年前の自分にアドバイスするならどんなことをするかという軸で話していただきます。
Q:塩野さん最近はベンチャー投資、コンサルのパートナー、いろんな会社の社外取締役、外部アドバイザーを諸々なさっていますけど、一番燃えていることはなんですか?
A:燃えないですよ、全然何も。ずっとメロウな感じでここまで生きてきたので。
Q:いや、いいですよね。なにかやりたいこと見つけなさいっていう熱血系のお話が多い中で、別にやりたいことがなくてもいいのだということで。
A:ないですね、生きていくだけで大変ですよ。
Q:そういった塩野さんを側から見ると、好きで面白いこと、やっていて楽しいポートフォリオはちょっとずつ増えてきたかと思います。
20歳そこそこの学生は最初はどこかの会社で働くけれど、ゆくゆくは40歳50歳になったら自分の好きなことポートフォリオをたくさん持っていたいという方も多いと思うのですが、塩野さんはどんなキャリア選択、経験が今のポジションを築くことに繋がったと思いますか。
A:本当にゆるくやってきましたし、本当に戦略とかなくて。私は新卒で外銀ですけど、日本のメーカーには入れなかったので外銀なわけです。今になって戦略的だったのですねとか言われますけど、特に戦略とかなく行き当たりばったりです。
2021年初頭までフィンランドに住んでいましたが、なんかフィンランドも特に行ったこともなく、縁もゆかりも特になく、でも行ったら何かあるかも、と思ってフィンランドでベンチャーキャピタル会社を作って。
現地のカフェで採用面接して、仲間を集めてみたいな。まあ大抵のことはなんとかなりますよ、元気でいれば。心と身体が病気をしなければ頑張れると思っていますけどね。
Q:塩野さんはヨーロッパ、フィンランド、どちらかというとESG特にEのところが一番進んでいるマーケットで働かれてこられました。その経験から日本企業の表層的ESG対応、たとえば「意味はなく女性取締役を2人急いでアポイントする」とかではなく、北欧のベストプラクティスから、ヒントを頂けますでしょうか。言い換えれば、日本企業もこうしたESG活動を行ったら日本らしさを生かしながら、より多くのバリューを出せるのにと思ったポイントはありますでしょうか。
今の状態を所与とせず、好きに生きよう:自分で決めないと後悔の量が多くなる
A:みなさんは今のオリンピック・パラリンピックのごたごたとかを見て今のシステムが上手くワークしていないこと、偉そうな人達をそんなにリスペクトもできないことをお分かりだと思います。
なので、別に今の状態を所与としないで、誰にも制限されてないですし、ここはアフガニスタンじゃないのでみなさんは特に命も狙われてないですし、好きに正しいと思うことをやればいいんですよ。
人はそんなに他人のことを気にしていないですから、自分が正しいと思って幸せになればいいと思います。特にキャリアとかも他人は関係ないですからね。全ては自分なので。自己責任とかじゃなくて、別に自分でしか選べないので。
私も7、8回転職していますけど、いやそんなに多くないかな。もう順番も忘れてしまいましたけど。誰かに相談したことないですよ、転職する時に。全部自分で決めました。だって自分しかわからないですしね。だからそういうことだと思います。自分で決めないと後悔の量が多くなっちゃいますしね。
Q:ありがとうございます。今非常に重要な自分で決めないと後悔が多くなるという、これは世代関係なくキャリアの選択で満足度の高い人に共通することについておっしゃっていただいたと思うのですけれども。
SAからの質問:次のキャリアを考えようと思うタイミングや転機は?
Q:7、8回転職されて様々なお仕事を経験されているというお話で、自分しかわからないから自分の心の声を聞いているということだったと思うのですが、具体的にそろそろ次のキャリアを考えようかなと思われるタイミングや転機は経験上あるのでしょうか。
A:本当に人それぞれだと思いますよ。世の中のトレンドがこっちにいくから、例えば2007年にiPhoneが出ているのですけれども、それまでPCだったのですよね。それがスマホになることで世界が変わるかもと思ったら、スマホ関係の業界に行きたいなと思うのも環境の変化かと思いますし。
一方で、この生活はもう無理だ、逃げようと思うのも理由だと思いますし。本当に自分しか責任取れなくて、誰も責任取ってくれるわけではないので、逃げたいときに逃げればいいですし、人それぞれだと思います。というくらいで生きていた方がいいですよ。
SAからの質問:世の中の次のトレンドに対する先見の明をもつにはどうしたら良いのか?
Q:世の中のトレンドに対する先見の明を持ってらっしゃるのかなと思ったのは、コンサルからベンチャーキャピタルへの転職を当時ではまだ珍しかった2003年にされています。
また、AIが今では盛んですけど、まだ盛んではなかった10年前に企業にお声掛けをされていたり、というエピソードがあるかと思います。
そう行ったトレンドに対してアンテナを張る、先見の明を持つためにはどうすれば良いのかなと思っておりまして、教えていただきたいです。
塩野氏が、生まれ変わったらアイドルのスカウトマンになる意外な理由とは?
A:本当に好奇心の問題ですね。〇〇を知りたいとみなさんが思うのであれば、その方面に行けば良いですし、あまり気にならないというのであればもうそれでも良いですし。だからそれはもう好みだと思いますよ。
私みたいなバカなチンピラは、新しいところに行くべきなのですよ。新しいところに行くと第一人者ヅラできるじゃないですか。または自分がそこを作り出すと、自分が第一人者になれるじゃないですか。
またはそこでこの人は伸びるなというアイドルにくっついていくと少しはおこぼれがもらえるじゃないですか。
私はアイドルを見つけ出すのとか、アイドルを作り出すのを得意としているので、この人はいいなというのについていくということをやっていっているのですよ。そういうのが好きかだと思いますよ。
生まれ変わったらスカウトマンになろうと思います。
「私はバカです」と人に会いに行けるのは20代の特権〜40代でそれをやると、ただのバカ
Q:やはりそういったイノベーター気質の方というのは、類は友を呼ぶというか、集まっていく物なのですか?
A:あの、いまは本当に全てが繋がっているじゃないですか。みなさんがこの人に会いたいな、コンタクトとりたいなと思えば、一人二人介せば必ずコンタクト取れるじゃないですか。
30年前はお手紙書いてスタートだったわけで、逆に手軽になってしまった時に“私淑する”という言葉があると思うのですが、勝手にリスペクトすることってできるじゃないですか。ロールモデルって言えるかもしれないですが。
私ロールモデルって嫌いな言葉ですけど。誰かを勝手にいいなと思って、会いにいくこともできるでしょうし、逆に会わない方が良い場合もあると思いますし。
長く生きてきて面白いことは、昔すごく好きでリスペクトしていた人があまりそうではなくなってしまったなとか、もっと傲慢に言えば自分の成熟度とか自分のイケてる度合いの方が尊敬する人より超えちゃったなと思うことは、今後皆さんに起きると思います。
なので、そういう人を勝手にリスペクトする、会いにいくというのは、いまはいくらでも恥をかけると思うのでやってみるといいと思います。
私は20代の頃いろんな偉い人に直撃していましたからね。その頃は「バカです」っていくらでもなんでもできるけれど、それを40過ぎて「バカです」って言ったらただのバカですからね。
レベル感がわかると、辞めていく〜長くやっているとクライアントが偉くなり、仕事が面白くなる
Q:直撃というのは、「お会いしたいです」とメッセンジャーなどでご連絡してという感じだったのでしょうか。
A:そうですね。そんな感じです。当時いろんな手を使って、人に紹介してもらうとか、そういうことは今にも活きていますね。例えば例でいうと、コンサルティング会社とかみんな2、3年で辞めてしまう人が多くてもったいない部分もあるのですけれども、2、3年やるとある程度はわかる部分もあります。
何がわかるかというと、大企業の経営企画部や、役員を相手にするので、このくらいのレベルで経営しているのか、このような話ができれば良いのかということがおおよそわかるのですよね。
もちろん100%、自分のインサイトを出せるほどはわからないと思うのですけど、レベル感がわかると生きていけるじゃないですか。受験で過去問解いて、これくらいなのかと思うようなことが、コンサルティング会社だとビジネスの世界で早めにわかった気になって辞めていく人が多いのだと思いますね。
お伝えしたのは、長くやっていると弁護士とかもそうですけど、クライアントつまりお客さんが偉くなるのですよね。だから若いときに一緒に苦労したお客さんがもう部長になっちゃったのか、役員になっちゃったのかというのは面白いですけどね。
だから長くやっていると面白いということはいろんなお仕事にあると思います。ただそれも、全てではないので全然違うと思って辞めてもいいですし、逃げてもいいと思います。
SDGアピールする会社はイマイチで、肝心なのは「この人たちと働きたい」と思うか
Q:私は現在三年生でこれから就職活動をしていくという段階にあるのですが、日本の様々な企業がESG、SDGs、女性の働きやすさを取り入れなければトレンドから遅れているという風にみなされるようになっています。
こうしたトレンドを前面に出している企業ばかりで、Z世代の皆さんは、何を基準に企業を選択すべきか悩んでいます。塩野さんはたくさん転職されてきた経験から、何を基準に企業を選んでいたか教えていただきたいです。
A:私の転職だとそこまでちゃんと考えていないですし、なんとかなるかな、ダメだったら辞めればいいやと思っていました。それくらい楽天的ではないと飛べないかなと、考えてもわからないことはたくさんあるので。
今おっしゃられたことも、わかるリソースというのは、例えば内定をもらって本当にいくかどうか悩むというレベルであればとにかくその会社の中の人に会って、この人たちと働きたいと思うかですね。
だから出ているデータとか良いことというのは、日本にある大企業であれば外資系も含めて変わらないので。だから本当に今おっしゃられたように、女性活用やSDGsを売りにするというのは、私はよくないと思います。
よくないというか当たり前なので、アピールするところではないでしょう、ということですよね。だって当然に男性・女性が世の中にはいて、当然に半分半分くらいいてその人たちで仕事を行なっていくわけです。
例えば誰かがすごく怒られている声を聞いて嫌な気分になるとかいうのは、環境の問題ですよね。みなさんが快適に仕事をできる環境を提供することが、組織としてまた組織の管理者としての義務なので。それって当たり前ですよね。
外に何をアピールしていようが、そこで一緒に働く人となりが自分に合う合わないを見るしかないです。また会社に入って、この人たち全然嘘だったとなれば辞めればいいですし。実際そういうこともあろうかと思います。
あと付言して言えば、例えばスウェーデンの小学校とかってSDGsがもともと貼ってあるのですよね。17個あってみんながそれを言えるのですよね。
SDGsがブームです、トレンドですというのはあまり意味がなくて。そもそも人権ですよね。ただ、良いと思うのです。
みんながそうしたトレンドについていうことは。会社に対しても外でESGだ、SDGsだって標榜しているのに、社内はこんなんでいいのですかってスピークアップすべきなのですよね。だってそれが義務ですし。マネジメントとしてそれができていなかったらそれはミスなので。そんな感じでやっていくのが良いのではないですかね。
34歳女性が国を率いるフィンランドと、80歳のおじいさんが牛耳る国の違いとは?
Q:北欧ではジェンダーの平等が進んでいるイメージがあるのですが、日本とは雲泥の差と言えるくらいキャリアを積む女性だったり、男性の女性キャリアに対する考え方だったりが有ると思うのですが、日本と根本的に何が違うのかまたそれを変えていくために経営者として、あるいは私たち個人として起こせるアクションがあれば教えていただきたいです。
A:当然、50年前からそうだったのかと言われると決してそうでありません。欧州って地続きじゃないですか。
あんまり知られてないかもしれないですけどフィンランドとかは徴兵制なのですよね。女性は志願制なのですけれども。女性もだいぶ志願で行くのですね。
地続きで常に自分の領土の危険があるみたいなところ、で自分たちは中小国である。フィンランドからすると日本とかって超大国なのですよね。1億3000万人って。フィンランドは550万人ですから。
生き残りをかけて男女で頑張るしかないのですよ。ちょっとしたら本当に地図から消えるかもしれないのですよ。侵略とかされたら。みたいなことはあるとは思います。
元々ジェンダー平等とか、みんなで協力して頑張らないと、本当の意味で、みんなで価値を出していかないと、女性だけ活用しないみたいなのは意味がない、意味がわからないという考えでやっているんです。本気度が違う、となるともう意思の問題なので。本気でやるしかないです。
ちょうど私がフィンランドに住んでいた2年間でサンナ・マリン首相、34歳女性が就任したのです。34歳女性の絶対に言えることは、この人10年後も生きているだろうなという確信。だから未来しか考えないだろうなと。80歳の男性に任せていたらちょっともう花道かなと思いますよね。
Z世代女性の働き方〜これまでの慣例は無視すべし
なので、そこは意思の問題なので、冒頭にお伝えしたように今まではこうだったからというのは、みなさんは無視すべきですよ。例えばスウェーデンでイノベーション担当の高官に愛に行くと、5人くらい出てきて真ん中に座るのはトップ含めて3人女性ですからね。
お一人はたぶん妊婦ですし、横で議事録取っているのが男性ですからね。だからどれもこれもやればできるのですよ。あらゆるところで声を出していくべきだと思います。
私の会社っていま女性取締役が過半なのですね。女性の方が多いのですよ。それもこの前変えたのですよ。おじさんいっぱいいてもダサいので。取締役を減らして、3人にして、女性2人男性1人にしました。
普通に実力で考えてそうだよねって思って。それはそうだよねってみんな思っていますね。だから、「そうは言っても」とか、「海外ではそうかもしれないけどそこは男じゃないと」とかいうのは意味がないのですよ。
そんな前例踏襲は意味がなくて。だから日本の会社は利益率が低かったり、いつまでたってもなんだか恥ずかしい感じなのですよね。なので、みなさんは前提を無視して正しいと思うことだけやればいいと思いますよ。
Z:ジェンダーギャップ解消を目的としてアクションを取るというよりは、自分の正しい遠思うことを続ける方が良いということなのですね。
A:例えば、パネルディスカッションをやりましょうと言った時に5人パネラーの人が出てきて、全員中年男性でした。ということは北欧では絶対ないです。それはバランスが悪いので、2、3人は女性にして年齢も変えてということはやってきています。
そうするとだんだんとそれが普通になってきて。そうではないと何か気持ち悪いなという感覚になってきます。
実際に女性が活躍できている会社の共通点と見分け方とは?〜ライフイベント後に帰ってこれるかと、多様なキャリアパスがあるかどうか
Q:女性が活躍する企業が増えている中で、女性が活躍しにくい環境の会社もあり、その乖離があると思われるのですが、いくつもの会社に転職されている中で、実際に女性が活躍できている企業の共通点・見分け方はありますか。
A:中の人にみなさんの言葉で聞くのが良いとは思うのですが、ある意味で経営視点でしか考えられないことがあって。
1つは事実として、女性のライフイベントがあった際に男性よりも長めに自分のポジションを留守にするじゃないですか。そうした時に結局帰ってこられるかどうか、帰ってきたらもう席がない、帰ってきたら全然違う仕事につかされるということが起きている会社というのは本気でやっていないですよね。
長く優秀な人に働いてもらうということが良いわけで、ライフイベントというのは必ずあるので帰る場所があるかという部分は必ず見るべきですよね。
もう一つは難しいところなのですが、男女問わず、やや女性に多い傾向として、なかには出世したくない人もいる。管理職になりたくないという人も男女問わずいるわけで。
だとしたらその人たちがより快適に今の能力を使っていられるためにはどうすべきか、多様なキャリアパスを提示できるかですよね。それを全て一律で決めました、このパス以外ないですというのはもう無理ですよ。
それしかできないのであればそれは経営が下手なのですよ。だって優秀な人がいなくなってしまうわけですからね。
ライフイベントに対してどう対応しているか、多様なキャリアパスを認められるか、小さな中小企業でも社長と話せば働き方を変えてくれるわけで多様なキャリアパスなのですよ。
逆に大企業の方が、これは決まりなのでといわれて終了ではないですか。そこは本当に色々考えるべきで、みなさんが起業して、いろんな道筋を認めるというのを作るのも良いと思いますよ。
優秀さの定義と、よいアサインの定義自体を見直すべき
Q:東大の女子比率とかもよく問題になると思うのですが、企業で女性管理職の割合を上げることを目標にするあまり、入り口のところで女性が少ないので優秀ではない女性が昇進してしまうことが現在問題となっている企業があります。
こうした構造の歪みによって引き起こされている問題についてはどうお考えですか。
A:それは定量的にどうみるか、私は正確なデータがわからないので、元々少ない中を無理やり上げるという行為がよくわからないのですけれど。まずは優秀の定義、なにをもって優秀とするのか。
例えば、その企業では飲み会を最後まで付き合うことが優秀の定義である可能性がありますよね。だったらどうするのですか。なので、優秀の定義がジェンダー平等に即したものでフェアであるか。
ダラダラ長く働くことが優秀の定義だとしたらどうですか。そういった優秀の定義と、あとは男女問わずその人のスキルセット・マインドセットに向いたポジションに就かせているかも重要ですよね。
人をどのようにアサインするとその人が100%の力を発揮してもらえるかという設定自体から見直すべき、と思っています。本当にその定義であっているのかが、私はちょっと疑問ですね。
その会社の「優秀さ」の定義が、ライフイベントのある女性にとっても平等かどうか、自分の思うものとあっているかを考えよう。
Q:現状の優秀さの定義が、果たしてジェンダーを関係なく評価されるものなのかというところからまず見直していくという感じですかね。
A:そうですし、今非常にうまくいっている会社であれば良いですけど、例えば多くの企業が、新しい事業が作れないなどと言っているわけですね。次の柱がないですとか。
ESG対応をする中で、温室効果ガス排出規制の中で事業環境は非常に大きく変わると。変わる中でこのままではいけないのだ。新しい事業を作るぞ、と。
しかしながら、実際は一つも新しい事業を作ったことがないし、作れる人間もいない。あれ、みんな優秀なはずなのに、というのはおかしいですよね。なので、その会社自体の求める優秀さの定義を変える。
それと同時に、それが男女にとってフェアな指標であるかということを考える。そうするともしかしたら、同じようにプロモーションしていって管理職に就く人が増えるかもしれない。
先ほどお伝えしたようにライフイベントがあるので、そもそもライフイベントを認識した上で、活躍できる場所を設定して、長く働いていただけるようにしているかどうか。一概に単純化して言えることでは全くないと思いますよね。
したがって、なかなか難しいですけれど、わたしが今お伝えしているようなことって、心からわかって頭もついて行って、統合的に判断している経営者少ないですよ。
だから問題なわけで、だったらみなさんが何らかをするしかないですよね。
他の人がやっていない新しい分野を探すということは、特にデッドヒートの競争をしたくない人には重要だよということ。
アイドル、次に伸びていく人をうまく見抜いて、その人が意思決定者になった特に一緒にビジネスができるように。これは森本さんが話されたこととも共通しているかと思います。
その会社の優秀の定義が自分の思うものとあっているか。そういったポイントを見ることが重要です。
みなさん楽しく生きてください。ありがとうございました。